大道具

大道具とは?仕事内容や年収をご紹介します!

大道具とは?仕事内容や年収をご紹介します! 普段テレビ番組を見ていると、カラフルなスタジオセットを目にする機会があるはずです。バラエティの派手なセットやニュース番組や経済番組の洗練されたセット、映画やドラマの大掛かりなセットなど…。これらのセットをつくっているのは、「大道具」と呼ばれる美術スタッフの人々です。この記事では、大道具の仕事内容や年収、なるために必要なことを解説します。ぜひ参考にしてください。

■大道具とは

大道具とは、テレビ番組や映画、舞台、コンサートなどの美術セットをつくる職種です。大道具スタッフがつくる、持ち運びができないような大がかりなセットのことも大道具と呼びます。ドラマの設定に合った部屋や、舞台の演出を盛り上げるセット、バラエティであれば企画に合わせた装置など、全体の雰囲気をつくるのに欠かせない存在です。セットのデザインを考え、図面をつくるのはデザイナーが担当し、大道具はその図面をもとに木材や金属、布を使って施工します。

■大道具の仕事内容

大道具の仕事は、映像作品や舞台などに使用される大きな美術セットをつくることです。 ① セットに関する打ち合わせ 演出家や美術監督あるいはデザイナーが考えた美術セットのデザインをもとに、実際にどのように作り動かすのかを大道具チームで話し合います。セットの制作に必要な素材の選定や安全面の考慮などを確認していきます。 ② 大道具の制作 打ち合わせを終えたら、工場で実際の制作に移ります。大きなセットをつくり上げる必要があるため、基本的にはチームで役割分担をしながら作業していきます。大工工事や絵描き、特殊造形などに分かれ、それぞれの制作物をつくって仕上げていきます。大道具は、セットを工場で制作する「大道具制作」と、実際の現場に運搬し、立てこみや撤去を行う「大道具操作」の2工程に分かれています。 ③ 現場でのセット操作 現場で実際にセットを操作するのが「大道具操作」です。仕上がったセットを現場にトラックや運送業者を利用して運び入れます。現場に届いたセットは、組み立て専門のスタッフが引き取りセットを組んでいきます。この作業を立てこみと呼びます。スペシャル番組やコンサートなど、その当日のみ利用するケースも多いため、スケジュールに間に合うよう立てこみを行います。収録や公演が終われば、バラシと呼ばれる解体作業に入ります。解体した美術セットは保管品と廃棄品に分けて管理します。

■大道具の年収

大道具の年収には、公的な統計データはありません。求人のボリュームゾーンは、250~600万円と幅広くなっています。一般的には舞台美術制作会社や大道具制作会社、テレビ局の関連会社に勤めることが多く、初任給が高くないため若手の年収は一般的なクリエイターの収入よりも低い傾向にあります。しかし、大道具としてのキャリアを積んでいきチームを牽引する立場になれば、収入の向上ものぞめます。また、キャリアアップして美術監督を目指すことも可能です。 (2024年7月調査)

■大道具になるには

大道具になるには、デザイン系の専門学校や美術系の大学で造形について学んだのち、新卒で舞台美術制作会社や大道具制作会社、テレビ局の関連会社に就職するのが一般的です。大道具の仕事は、紹介等での採用もありうるため、業界での繋がりを得られるような活動をすることも重要です。センスと技術が問われる仕事のため、造形の知識は欠かせません。

■大道具になるために役立つ資格

大道具になるために必須の資格はありません。取得しておくと就職に役立つ資格として、以下のものがあります。 ・普通運転免許や、大型車、クレーンなどの操縦免許 ・色彩検定 ・足場の組立て等作業従事者特別教育 大道具は現場での作業が中心となる技術的な職種のため、制作や搬送で役立つ資格があると、目を止めてもらいやすくなります。

■まとめ

テレビ番組や舞台、コンサートを魅力的に装飾し、現場の雰囲気を作り出すのに欠かせない大道具。これらはすべて、大道具スタッフがチームで一丸となってつくり上げています。自分の手や体を使ってこれらの作品をつくり上げることは大変な仕事ではありますが、実際に完成したセットが現場で使用されるやりがいのある仕事です。また、常に新しいセットを生み出す必要があるため、創造力を求められるクリエイティブな仕事でもあります。普段何気なく見ているテレビ番組の、美術セットに注目してみるのも面白いですよ。  

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