ブックデザイナーとは？仕事内容や年収をご紹介します！

本屋に行ったとき、魅力的な表紙に惹かれて本を手に取る経験をしたことがある方は多いのではないでしょうか。ブックデザイナーは、本の魅力を引き立てる装丁デザインのスペシャリストです。この記事では、ブックデザイナーの仕事内容や年収、なるために必要なことを解説します。ぜひ参考にしてください。

■ブックデザイナーとは

ブックデザイナーとは、本の装丁デザインを手掛ける職種で、装丁家とも呼ばれます。本の表紙のデザインや素材選び、帯、扉などを制作します。装丁は本の外観にかかわる部分を指しますが、ブックデザイナーは中身も含めてトータルデザインする場合もあります。特に表紙はその本の売れ行きを左右する重要なデザインとなるため、著者の意図を汲み取り、インパクトのあるデザインを制作する必要があります。

■ブックデザイナーの仕事内容

ブックデザイナーの仕事は、本の装丁や中身をデザインすることです。具体的には、以下のような業務に携わります。 ①著者・編集者との打ち合わせ 仕事を請けたら、最初に本の著者や編集者と打ち合わせを行い、意向を伺います。本の内容や読者ターゲット層を摺り合わせ、打ち出し方・デザインの方向性を定めます。また、原稿を読むことも必要となります。内容を正しく理解し、イメージと違うといったことがないよう注意する必要があります。 ②本の表紙や扉のデザイン 打ち合わせが済んだら、実際の制作に移ります。本の内容やコンセプトに応じて色を選び、直感的に伝わるイメージに仕上げます。また、タイトルのフォントの種類や大きさ、レイアウトを調整することで本の魅力を最大化します。素材選びについては、例えばフォーマルな本であれば、手に取った際の感触から消費者が品質を直感的に判断できるよう、重厚感のある素材を選ぶなどの工夫も必要となります。本のカバーや帯のデザインも重要なポイントです。ブックデザイナーは、デザインを通して本を売る重要な役割を持っています。 ③競合書籍や書店の調査 ブックデザイナーは、競合分析や店頭調査なども行うことがあります。例えば競合する本が市場に出ている場合、デザインを差別化することを考えたり、売れている本の傾向を調べたりします。市場調査のデータに基づき、適切な装丁デザインを作り出すことがブックデザイナーの役割です。

■ブックデザイナーの年収

厚生労働省の職業情報提供サイトによると、ブックデザイナーの平均年収は480.6万円となっています。働き方としては、出版社やデザイン会社に所属する場合と、独立してフリーランスとして活動する場合があります。企業での雇用は収入が安定するというメリットがありますが、フリーランスとして独立すると、自分の成果に直結した報酬を得ることができるため、高い年収を狙うことも可能です。 （2023年10月調査）

■ブックデザイナーになるには

ブックデザイナーになるには、デザインについて学んで出版社やデザイン会社に就職する道があります。出版社のデザイナーは求人数があまり多くないため、多くの人がグラフィックデザイナーと兼業しながらブックデザインを担当しています。デザイン会社で働く場合は、要件を確認し、ブックデザイン業務に携わることができるかを確認しましょう。 また、独立してフリーランスでブックデザイナーをする場合には、営業活動を行いクライアントを獲得する必要があります。大手出版社の契約を得るには実績も必要となるため、初めは小さな出版社や同人誌サークルにアプローチして、制作実績を積み上げていきましょう。

■ブックデザイナーになるために役立つ資格

ブックデザイナーになるために必須の資格はありません。デザインに関連する資格を取得すると、知識をアピールすることができます。 ・Illustratorクリエイター能力認定試験 ・Photoshopクリエイター能力試験 ・色彩検定 デザインツールに関するスキルは、ブックデザイナーにとって欠かせません。Illustratorクリエイター能力認定試験やPhotoshopクリエイター能力試験は、デザインスキルを示すことに役立つ資格です。色彩検定は、消費者の目を引く色を選定する基礎力を身につけるために効果的です。「ユニバーサルデザインにするか」、「ニッチを狙うカラーリングにするか」など、配色に関するスキルを磨くことができます。

■まとめ

ブックデザイナーとは、本の表紙や帯などのデザインを整え、商品としての魅力を最大化する仕事です。特に本の表紙は、消費者がその本を手に取って読むきっかけとなります。そのため、ブックデザイナーの存在は出版の現場で非常に重要な役割を担っています。 ブックデザイナーになるためには、出版社やデザイン会社からの求人を探すことが一つの方法です。デザインスキルを身につけ、必要に応じて専門の資格を取得すれば、ブックデザイナーとして活躍する道が広がります。