仕上げ
アニメの仕上げとは?仕事内容や年収をご紹介します!

■アニメの仕上げとは
アニメ制作における「仕上げ」とは、作画された線画に色を塗り、完成映像に近づけていく工程を担う職種です。動画マンが描いた線画(動画)に、指定された色や質感を正確に塗り分け、キャラクターの印象や作品の世界観を視覚的に整えます。作業は手作業ではなく、デジタルソフト(主にRETAS STUDIOやCLIP STUDIO PAINT)を使用して行われることがほとんどです。仕上げはアニメの最終段階に近い工程であり、クオリティに直結する重要な役割。視聴者が目にする「アニメそのものの色彩と質感」は、仕上げの丁寧な仕事によって生まれています。■アニメの仕上げ職の仕事内容
アニメの仕上げの仕事は、主に以下の3つが挙げられます。 ①色指定とカラーモデルの確認 色彩設計担当者が決めた「カラーモデル(色見本)」をもとに、各キャラクターや背景の色を正しく適用する必要があります。髪色や服の模様、影の色など、1カットごとに厳密に指定された内容を守って塗っていきます。 ②デジタル彩色作業 専用のソフトを使用し、線画データに対してデジタルで色を塗っていきます。自動塗りと手作業を組み合わせながら、正確かつスピーディに作業を進めます。ミスが許されない工程なので、丁寧さと集中力が求められます。 ③色のチェックと修正作業 彩色が完了したカットは、リーダーや色彩設計者によるチェックを受けます。色ムラや指定ミスがある場合は修正指示が入り、それをもとに再調整を行います。映像としての完成度を上げる、非常に大切な仕上げ工程です。■アニメの仕上げ職の年収
アニメーション制作者実態調査2023によると、仕上げスタッフの平均年収は332.1万円です。同調査におけるアニメ制作者全体の平均年収は455.5万円となっているので、平均よりも少し低い水準にあるといえます。経験年数やスキルによっても異なりますが、一般的な目安は以下のとおりです。 •新人、アシスタント:年収約200万円〜300万円 •中堅(3〜5年):年収約300万円〜400万円 •リーダー・色指定担当:年収約400万円〜500万円以上 アニメ業界全体の課題として、仕上げ職は単価が低いといえますが、実力次第でフリーランスとして活躍することも可能です。 (2025年5月調査)■アニメの仕上げ職になるには
アニメの仕上げになるには、必ずしも美大や専門学校を出ていなくても構いません。以下のようなルートがあります。 ①専門学校・アニメーション系学科で学ぶ アニメ彩色やデジタル作業に特化したカリキュラムがある学校では、実践的な技術を学べるため就職に有利です。 ②制作会社のアシスタント・研修制度を活用する 未経験でも応募できる求人があり、入社後に研修を受けながら学ぶケースもあります。最初は補助的な作業から始め、徐々に仕上げ本番に移行します。 ③ポートフォリオや実績でアピールする フリーランスでの応募や転職時には、色指定や彩色サンプル、CLIP STUDIOなどの操作スキルを示せるポートフォリオがあると評価されやすいです。■アニメの仕上げ職になるために役立つ資格
向いている人の特徴: •細かい作業が好きで、コツコツ取り組める人 •配色やデザインに興味があり、色彩感覚に自信がある人 •地道な作業でも作品づくりに貢献したいという情熱がある人 役立つスキル・資格: •色彩検定(2級以上):色に関する基本知識を証明できる •Adobe Photoshop・CLIP STUDIOの操作スキル •デジタル作画ソフト(RETAS、OpenToonzなど)の基本操作 •アニメの制作工程全体への理解■アニメ仕上げスタッフの転職・求人事情
仕上げ職は、アニメ制作における定番の工程であり、多くのスタジオで常に求人があります。ただし、業務委託・フリーランスとしての募集が多く、在宅勤務が可能な案件も増加中です。「アニメ 仕上げ 求人」「アニメ 仕上げ 転職」といった検索ワードでの情報収集や、アニメ業界専門のエージェントを活用するのも効果的です。■まとめ
アニメの仕上げは、視聴者が目にする“完成映像”のクオリティを左右する大切なポジションです。色の知識と丁寧な作業を武器に、キャラクターや作品世界の魅力を最大限に引き出します。アニメ業界で手に職をつけたい方、デジタル作業に興味がある方は、ぜひ「仕上げ」という職種にチャレンジしてみてください。仕上げの
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