背景美術

背景美術とは?仕事内容や年収をご紹介します!

背景美術とは?仕事内容や年収をご紹介します! アニメといえば個性豊かなキャラクターやストーリーが注目を集めることが多いですが、作品の中には、美しい背景グラフィックスが評価されるものも少なくありません。アニメの舞台を描き、その世界観や雰囲気を作り出すのは背景美術と呼ばれる人々です。この記事では、背景美術の仕事内容や年収、なるために必要なことを解説します。ぜひ参考にしてください。

■背景美術とは

背景美術とは、アニメのキャラクターが存在する世界=背景画を描く仕事です。この背景画によって、アニメの世界観が生み出され、ストーリーが彩られます。背景美術担当を、背景マンと呼ぶこともあります。アニメ制作において、キャラクターと背景を描くために求められるスキルは異なるため、キャラクターを描くアニメーター(原画マン、動画マン)とキャラクター以外の背景、建物、小物などすべてを担当する背景美術に分かれて制作が進行します。背景美術は高い描写力だけでなく、背景画を量産するスピードも求められる職種です。

■背景美術の仕事内容

背景美術の仕事は、アニメの世界観を左右する背景画を描くことです。具体的には、以下の業務に携わります。 ①美術設定 背景美術の責任者である美術監督の指示のもと、アニメキャラクターが存在する世界の具体的なイメージを定めて、線画として描き起こします。原作漫画やロケ地の写真を参考に世界観を作り上げます。 ②美術ボードの制作 美術設定をもとに、作品の世界感や色味、全体のイメージを集約した「美術ボード」を制作します。背景画の制作において見本となるもののため、美術ボードの制作は非常に重要なステップとなります。 ③背景画の制作 美術設定と美術ボードの制作を経て、実際の背景画の制作に移ります。ここで作られる背景画が、本番のアニメで使用されるものとなります。多くの背景美術スタッフが、美術ボードをもとに背景画を量産していきます。担当する背景の画角やサイズによっては、美術ボードの情報を補完しながら制作します。一般的に30分のアニメで200~400カットほど必要となるため、高いクオリティを維持しつつスピード感をもって制作しなければなりません。できあがった背景画は、美術監督が確認し必要に応じて修正を加えます。

■背景美術の年収

一般社団法人 日本アニメーター・演出協会のアニメーター実態調査2019によると、背景美術の平均年収は、448万円となっています。日本の一般的な平均収入と大きな差はありません。初任給は20万円前後とやや低い傾向にありますが、キャリアを積んでいくことで着実に収入を増加させることができます。同調査における美術監督の平均年収は593万円となっているため、より高い収入を目指す場合はキャリアアップに挑戦しましょう。また、独立してフリーランスとして働く場合は、実績と案件次第で会社に所属するよりも高い年収を得ることができます。 (2024年8月調査)

■背景美術になるには

背景美術になるには、専門学校や美術系の大学に通いデッサンやイラストについて専門的に学んだあと、背景美術部門のあるアニメ制作会社か、背景美術を専門的に制作する背景会社に就職する道が一般的です。はじめは背景制作からスタートし、経験を積むことで美術ボードや美術設定の制作をする立場にキャリアアップしていくことができます。正社員・契約社員・業務委託・アルバイトといった様々な契約形態があるため、アルバイトであれば未経験からでも応募できる求人もあります。

■背景美術になるために役立つ資格

背景美術になるために必須の資格はありません。制作会社によっては、独自に専門学校や美術系大学の卒業資格や、Photoshop、CLIP PAINT STADIO等の制作ツールのスキルを設けている場合もあります。また、背景美術は高い画力が求められる職種のため、基本的にポートフォリオの提出が必須です。近年のアニメはデジタルで制作されることが多いですが、背景美術の場合アナログのデッサン力も求められるため、どちらもカバーしておきましょう。

■まとめ

背景美術は、アニメの世界観を作り上げ作品を彩る縁の下の力持ち的な立場の仕事です。自分が手掛けた背景画が実際に放映されるため、やりがいを強く感じることができるでしょう。アニメの雰囲気を大きく左右する背景画を描くには、高い描写力が求められます。キャラクターではなくアニメの世界観を描くことに魅力を感じている方は、ぜひデッサンスキルを磨いて背景美術を目指してみてください。  

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