Q
341 フィルムとデジタル(VTR)の違いについて教えてください。
映画といえばフィルムを使っての撮影が主流でしたが、技術の向上に伴いフィルムを使わないデジタル撮影の映画も増えてきたと聞きます。この2つにはどんな違いがあるのでしょうか?
A
デジタル環境での撮影に比べフィルムでの撮影は、多くの機材とスタッフ、手間と費用がかかります。コストを抑えて、クオリティーを上げるデジタル映像制作が主流に成りつつ有ります。
フィルムは光を当てて感光(光の照射によって物理的,化学的な変化を起こす)させて画像を焼き付ける方法。デジタルは光を電気信号に変換して磁気記憶媒体(VTR)に記録する方法です。 フィルムを直接見ると、画像が見えますが、ビデオテープなどの記憶媒体は、テープを見ても画像を見る事は出来ません。さらに決定的な違いとして、フィルムは、露出(光量調整)による感度、被写界深度、陰影表現が出来るため、立体感の有る映像表現が行なえます。デジタルで撮影された映像は、電気信号に変換するためそのような表現が弱く、フィルムと比べると、薄い安っぽい映像に見えてしまいます。 上映環境にも違いが有り、フィルム上映は、映写機(光源)とスクリーンが必要になります。光をフィルムに当てて映像を写し出すため、外光の入らない専用の上映場所(映画館など)も用意しなくてはなりません。 デジタルの場合は、磁気記憶媒体から電気信号を送り出し、ディスプレー(液晶LEDなど自ら発光する光の点の集合体)にて画像を映し出すため、場所の制約は有りません。光を当てる。自ら発光する。光と電気の違いですね。 フィルムは撮影、現像、プリント、上映と色々な段階を踏むため、時間もコストも掛かります。一方デジタルの場合は収録機材(カメラ・VTR)と再生ディスプレーが有れば、映像を見る事が出来ます。代表的なのが、テレビ放送です。テレビ放送はジャーナリズム(報道)から生まれた映像文化・技術です。いかに早く的確な情報を映像で伝えるかが要です。 映画は娯楽であり、作品性を問われます。 報道と娯楽という成り立ちの違いも、フィルムとデジタルの違いと言えるのではないでしょうか。 昨今のデジタル技術は飛躍的に向上し、フィルムでしか表現出来なかった映像表現を、デジタル技術でも表現出来る水準に近づいています。映画もフィルムを使わずに映画専用デジタルカメラで撮影されています。 1眼レフカメラで動画撮影が行なえるようになり、高性能レンズを使用した動画撮影、スマートフォンの動画収録機能も手軽に使える事などから、映像表現領域は、さらに広がりを持つようになりました 加えて、プロットフォーム(出口)の多角化、SNSの普及が、誰にでも手軽に映像表現を行なえるようになりました。
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