Q
334 ステディカムって何ですか?
映画やドラマの撮影でステディカムという機材が使われていると聞きます。これはどのような機材なのでしょうか?
A
ステディカムは、カメラに加わる振動を除去するスタビライザーの一種です。
ステディカムとは、カメラマンがカメラを持って歩いたり車載した際に、移動によって生じるブレや振動を抑え、スムーズな映像を録ることを目的に開発されたカメラスタビライザー(カメラ安定支持機材)のことを指しています。 スタビライザーは元々、船舶・飛行機・自動車などを動かした際の揺らぎを防ぎ、姿勢を安定させるための装置を指しているのですが、映像制作においては歩行や手振れなどよるカメラへの振動を吸収し、滑らかな映像を撮影するための機材のことを指します。 ステディカムは衣服のように身体に直接装着することのできる装備で、基本的にカメラを載せるスレッド、それを支えるアーム、アームを接続するために着用するベストから成り立ちます。 スレッドにはジンバルと呼ばれる水平架がついており、ジンバル上にカメラが、下に平衡を保つためのおもりとしてバッテリーやモニターが付けられています。アームにはバネが内蔵されており、それが上下動することで、歩行や手振れなどよるカメラへの振動を吸収します。この機能によって移動撮影でも容易に滑らかな映像を納めることが可能になります。 ベストには腹部にアームを接続するためのソケットが付いており、このソケットの向きを変えることでステディカムがカメラマンの体から見て左側に来るか右側に来るかを変更することができます。このステディカムの取り付け向きはカメラマンの利き手や好みによって変えたり、狭いスペースでの撮影において撮影対象がカメラ位置のどちら側に位置するかによって調整したりします。 装置の構造としては一見複雑そうに見えますが原理としては「やじろべえ」に近いものだと考えていただければ分かりやすいと思います。 スムーズな移動映像を撮影するためには、これまでレール上の台車やクレーンにカメラを載せて移動するという大掛かりな手段しかありませんでしたが、ステディカムの登場によって、カメラマンが手持ちカメラのまま走っても容易に滑らかでスムーズな移動映像が撮影できるようになりました。 最近では、iPhoneに装着する簡易型のステディカムも開発され、プロが撮影したような滑らかな映像が気軽に撮影できるようになったそうです!
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