Q
206 フリーミアムとは何ですか?事例も教えてください。
「フリーミアムのビジネスモデル」とはどんなビジネスなのか、また具体的にどんなサービスで適用されているのかを教えて下さい。
A
無料[Free]のサービス提供で顧客を獲得し、付加価値を割増し[Premium]で提供するモデル
Free(無料)+Premium(割増)で「Freemium」です。 無料でサービスや製品を提供してユーザーを増やし、機能の充実した上位版や、追加サービスを有料で販売することで利益を出すビジネスモデルです。 ネットやPC関係の製品サービスと親和性が高く、機能や期間を制限した体験版→製品版といった商品展開は一般的になりつつあります。 また、オンラインゲームなどでは、ゲームプレイは無料だが、アイテムやランク(=付加価値)のは有料購入というパターンが多くあります。 よく「初回無料」「初月無料」といったサービスも見かけますが、期間終了後の有償契約が前提のものは、フリーミアムとは呼びません。また、期間限定の体験版も厳密にはフリーミアムとは呼びません。 あくまでも無料の製品やサービスで顧客を夢中にさせ、無料でも使い続けられるが、任意で有償の付加価値を購入してもらうスタイルを「フリーミアム猶予」と呼んでいます。 この「無料提供」の内容は、提供する企業によって様々で、 ・単なるデモンストレーションのようなもの ・無料版だけで十分利用し続けられるもの ・無料版で機能は十分だが、サポートを受けるには費用が必要なもの など幅があります。 フリーミアムのビジネスモデルを成功させるのは簡単ではありません。無料公開部分の広告収入などで補うにしろ、開発資金は有償ユーザーからの支払いで回収しなくてはいけないからです。FreeからPremiumへの移行率が鍵となるわけです。 有償ユーザーへの移行を促すために、企業は ・無料部分でいかにユーザーを夢中にさせられるか ・有償版の付加価値をいかにスムーズに受け入れてもらうか の仕組みづくりに工夫を凝らしています。 インターネットを介したフリーミアムの成功例です。 ◆Dropbox インターネット上のデータ保存・共有サービス。利用開始~保存容量2Gまでは無料。それ以上は追加購入できる。 https://www.dropbox.com/pricing ◆Evernote オンラインノートサービス。無料版とプレミアム版があり、プレミアム版では、保存容量・アップ容量のUP、広告非表示などの付加価値。 http://evernote.com/intl/jp/premium/ いずれもストレージという特性上、無料版を使い続ければ使い続けるほど、データは蓄積されていきます。無料版で限界を迎えるころには、心理的にもデータ容量を追加するプレミアム版に移行しやすくなるわけですね。 意外なところで、リアルな社会でも導入されたニュースがありましたのでご紹介しておきます。 これをフリーミアムと呼んでいいのか微妙な気もしますが(単なるキャンペーン、プロモーションのような・・・)、 無料で体験してもらい、宿泊や食事などの付加価値にお金を払うという意味で「フリーミアム」としているようです。 ◆雪山の世界に"フリーミアム"導入!日本全国136カ所のゲレンデが19歳無料! 『雪マジ!19 ~SNOW MAGIC~』2012年度結果報告 http://www.recruit-lifestyle.co.jp/news/travel/news687_20130416.html ◆~サッカー観戦に"フリーミアム"導入!若者需要創出プロジェクト第2弾~日本全40クラブ(J1・J2)が20歳を無料招待! 2013年『Jマジ!20 ~J. LEAGUE MAGIC~』始動 http://www.recruit-lifestyle.co.jp/news/travel/news827_20130524.html http://www.jalan.net/jalan/doc/etc/jmaji20/ フリーミアムの製品やサービスを使う際には、消費者側も「その後、割増料金を払う付加価値があるかどうか」をシビアに判断する必要がありそうですね。
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