開催済セミナー
2023年2月15日(水)13:00~14:00開催
ゲーム会社サイバーコネクトツー流 熱狂する現場の作り方
妥協なきゲーム開発姿勢の源泉を訊く!
多数のヒット作を生み出し、業界内外から注目されている福岡のゲーム開発会社、サイバーコネクトツー。取引先から「サイバーさんは面倒くさい」と言われるほど、その妥協なき開発姿勢には定評があります。
今回のトークライブでは、稀代の経営者であり、自身もゲームクリエイターである松山洋代表取締役に、著書の内容を軸に「熱狂する現場の作り方」を語っていただきました。
コロナ禍のリモート下で、クオリティー追究に対する意識が希薄化していく現場。不安や悩みを抱えているゲーム業界、アニメ業界の方をはじめ、各業界の経営陣、事業責任者、リーダー、クリエイターの方々にとって、松山氏の強い思いから生まれた「熱狂する現場」と「熱狂させるゲーム作りの源泉」をお話いただき、大変貴重な時間となりました。
10年前に思っていたよりも、今のテクノロジーやサービスの向上速度が速くなったと思うんです。
ビデオレンタルもゲームショップも街の書店も、どんどんなくなってきている。サブスクもそうですけども、便利なサービスの方が人気が出ますので、サービスの向上はどんどん広がってくると思います。
我々のビジネスもサイバーコネクトツーも、ディベロッパー(開発会社)として始めたのに、20周年を境に「もう準備整ったね、パブリッシングやろうか」って流れになったんです。
漫画も、紙と電子版の比率がだんだん変わってきている。ゲームも昔はパッケージで、ゲームソフトをゲームショップで買うしかなかった。けれど、今は「任天堂SWITCH」ですら、お客さんの半数以上が、家に居ながらにしてダウンロードでゲームを買って遊ぶ。
生まれたときからスマホがあって、お父さんお母さんのスマホで遊んでいる子供たちからすると、アプリはダウンロードするもので、お店で買うという認識はどんどん希薄になってきてます。
こうなると、流通コストや在庫リスクから解放された新しいビジネスの世界で、より多くの人に商品が届けやすくなって、利益率がその分上がる。サイバーコネクトツーも、日本でモノを作って、世界中の売り場に自分たちが作ったゲームソフトをボタン一つで販売できる。
それが、すごく明るい部分だなと思います。ゲーム業界って、今は2極化が進んでいて、一つはAAA(トリプルA)って言われるよビッグタイトル。これは、3年、5年、7年と時間をかけて数百人で作って、それこそ「50億、100億、200億円使って1000億円もうけましょう。」というビジネスですが、限られた企業、限られたクリエイティブしかできないと思います。
一方で「夢があるな」と思うものはインディーゲームです。
小規模短期間開発で作ったものが、世界中で楽しんでもらえる。ゲーム業界って不思議なもんで、この「1発逆転」があるんですよ。
ゲームビジネスには、エンタメ漫画とかアニメとか映画とかいろいろありますけども、他のエンタメと比べて一番もうかりやすいんです。何でかというと、単価が高いからです。
漫画は1冊400円から500円、映画は大人1900円。でも、ゲームソフトは客単価8000円前後で世界中にお客さんがいるので、面白くて売れるものを作れば絶対にもうかる。うちのスタッフにもよく言ってるんですけども、本物を作ればいつかもうかるんです。最初は赤字でも、ずっと売れるから。「選ばれる1本」さえ作れば、絶対にいつか勝てる。
スタジオジブリの宮崎駿さんとか、その弟子だった庵野秀明さんとかが昔言っていたことが私の中に刻まれてて、「本物しか作れないし、諦めない」マインドが生きてるのはそういう理由からです。
クリエイティブ業界に進もうと思っている方、もしくは今現在、頑張っていらっしゃる方々にお話ししたいのは、「皆さんがエンタメ業界を目指すきっかけになった幼少期を思い出しほしい」ということです。
大人も子供も、毎日生きていれば良いこともあるし、悪いこともあるじゃないですか。理不尽なことだってやっぱりあったと思うんです。でもね、そういうくよくよしてるときに読んだ、たった1冊の漫画が自分の心というか気持ちを明るくしてくれたり、たった1本の映画やゲームソフトが自分の気持ちを変えてくれたことって、あると思うんですよ。きっとその恩返しをしたくて、「自分もそれを与える側になりたい」と思って、みんな多分「こっち側の世界に行こう!」 って思ったんじゃないかな。だって、助けられたのだから。
なので、苦しいときは幼少期の気持ちを思い出してほしいし、初心に帰ればどんな力だって湧いてくると思います。
良いこと悪いことは、今も変わらずあると思いますけども、そのときには連絡ください。
酒でも飲みに行きましょう。そうすれば、次の日からまた元気に戦えると思います。
株式会社サイバーコネクトツー代表取締役
1970年福岡市生まれ。九州産業大学商学部卒業後、コンクリート会社での営業職を経て、2001年にサイバーコネクトツーの代表取締役社長に就任。代表作に『NARUTO-ナルト- ナルティメット』、『ジョジョの奇妙な冒険 オールスターバトルR』、『鬼滅の刃 ヒノカミ血風譚』、『.hack』シリーズがある。
同社では、コンシューマーゲームの企画段階からキャラクターデザインや設定、サウンド、ゲームシステム、プログラムに至るまでの全工程を自社で行っており、こだわりのあるクオリティ高い作品には、世界中のファンに定評がある。
また松山氏原作のゲーム業界お仕事マンガ『チェイサーゲーム』(KADOKAWA)は、2022年にテレビ東京で実写ドラマ化され話題に。
著作に『熱狂する現場の作り方 サイバーコネクトツー流ゲームクリエイター超十則』(星海社新書)がある。
趣味は「仕事」。特技は「仕事」。休みの日は「仕事」。愛称は「ぴろし」。
2024年7月24日(水)13:00~14:00
地方企業が世界を目指すエンターテイメント ドローンショービジネスの挑戦
2024年6月26日(水)13:00~14:00
生成AI×CGの現在と未来をCGのプロ集団が語る ~無料セミナーでは語られない真実に迫る~
2024年5月23日(木)13:00~14:00
日本有数のデータサイエンティストが明かす!生成AIで新ビジネス創出
2024年4月24日(水)13:00~14:00
地方創生×エンターテイメント ~沖縄の力を発信する取り組みと10年の歩み