AIに取って代わられる業種っていうのは、人間の今までやってきた仕事の中でたくさんあるでしょうけど、まあ僕らがやってることに関してはとって代わられない。
利用するってことはあると思います。例えば、ゲームを作るとか。
多分エンターテインメントっていうのは、そういうのを利用しつつ、でも、根本的な部分は、人間の誰にも代えがたい「個性」っていうものが、つかさどっているから。
この業界は、今までは「大量生産」だったから、「作り手の個性」はほとんど出せなかった。
けど、これからはどれだけその「個性」を出せるかなと。
今までは、テレビっていう決まりきったコンテンツの出し口は、あったわけですよ。
映画にしたってね、ある程度お金がないと作れないとか、そのコンテンツの出しどころっていうのが限定されてたから、多くの人員をかけて、優秀な人の何かを全員で作るみたいなね。
でも、今は、出しどころがすごくたくさんあるわけだから、勝負になるのは「船団で行ってものを作る」じゃなくて、「個性」ですよね。際立った「個性」と「自分の考え」。
それは、外から他の人から見て「あの人変わってるな」っていうのじゃないんですよ。
例えば、１つのニュースが来たとして、ちゃんと自分の目で見て、ニュースを扱ったとしたら、絶対そこに「個性」は出るはずなんです。
一つ一つのコンテンツに対してどれだけ「個性」が表れるかで、多分、これから生き残っていく。
それでしか多分生き残れないと思う。
だから一般的な技術を身に付けるとか、こういう業界の中で人との関係を作り上げていくときに、今までのやり方っていうのは非常に大事だけれども、いざ、ものを作るとなったときには、どれだけ自分の「個性」を発揮できるか、堂々とね。それが当分、一番大事になってくる。
そこを「没個性」にして、皆のために今までみたいに「大きな船団で物事を作るんだ」という感覚でいると、多分乗り遅れていくだろうなって気がする、うん。