開催済セミナー

2021年10月21日(木)13:00~14:00開催
『水曜どうでしょう』の北海道テレビ放送藤村Dに聞く
地方から全国展開!ヒットの裏側

セミナー概要

『水曜どうでしょう』は1996年にチーフディレクターの藤村氏が立ち上げた地方局HTBの深夜バラエティ番組。
当時では珍しかったディレクターがカメラ1台でタレントと同行しながら撮影を進めていくスタイルは、視聴者の圧倒的な支持を得て、異例の全国ヒットとなりました。
以来25年間、放映されたロケ地には、多数のファンが訪れ巡礼地になるなど、未だ全国で愛される番組として健在です。

今回は藤村氏に番組立ち上げからヒットに至るまでの苦労や撮影秘話について、お話しいただきました。

クリエイティブ業界の”NEXT"とは?
藤村様の考えるクリエイティブ業界には、どんな未来が待っていると思いますか?

未来はわからないから、とりあえず今現状で言うと、これが20年前30年前と比べて、明らかに映像動画コンテンツっていうのはちょっと何?っていうぐらいに増えているわけですよ。
今まではテレビっていうものと映画っていうものくらいしか、動画で動くものっていうのは見てなかった。
それが今はYouTube見たらいろんなものもある。
単純に動画を作るとか映像を作ることができる人、これは昔よりも数多く求められているのは間違いない話。
動画始めてみようかなとか動画のこの業界に入ってみようかなとかじゃなくて、もう必要とされているから興味があるならそれはもちろんやった方がいいですよ、というのは間違いないです。

でもそうなるとYoutubeみたいな他の動画っていうのは、毎日いろんなものが出てます。
こうなるとしょうがないけども実力勝負ですよ。
テレビよりも実力が高くないと、それは別にクオリティーが良い悪いではなくて実力、いわゆる人に見てもらえるセンスが高くないと生き残ってはいけないってことなんです。
数が増えていて、ここの人たちが今10人20人いる中で皆さんが動画を撮ったらそれを発表できる場所っていうのはもうあるわけだし、見てもらえるじゃないですか。
見てもらえるんだけど、じゃあ誰のが面白いの?っていうのは如実に今度はわかりますよね、20人出しちゃってるから「ああ君のはつまらないね」ってはっきり言われちゃうっていうかね、実力というかセンスなんでしょうね。

じゃあそのセンスっていうのは何かというと、他と差別化しないといけないでしょうね。
テレビってコンテンツに対して、厳しくなかったというか差別化する必要がなかったし奇をてらう必要がなかったんです。
でもこれから映像を作るこれだけの中で、ここからスタートする人たちは今度奇をてらったことをやっていかないと。
将来はテレビの作り方も、もちろん作り方のセオリーというのがありますよ、だけど基本的に発想であるとか編集の仕方だって、どんどんセオリー無視して独創的なものをやっていかないと生き残れませんよね。

この業界に入る人たちに、いやテレビってのはこういうものだから、じゃあYouTubeってのはこういう感じで作るんだよ、という教育をするのであればそれは大きな間違いで、これからはまったく誰にも教えてもらえないことを自分たちでどう考えていくか!に尽きる。
俺はそれは楽しいと思うけどね。教えられるより自分で考えてこれどうだろうって、しかもそれを実際にもう発表できる場があるっていうのは素晴らしいこと。

そういう意味ではこれからはやり方がどんどん変わってくるし変わっていかなきゃいけない。
テレビは昔さ、もうこういうふうな画取りをして次ロングを取ってって、言ってたんだよ。
皆だからダメになったんだよテレビって。
競争相手が一気に増えた瞬間「たるいテレビ!」ってみんな気づいちゃったんだねえ。
だからこれからはそういう意味でもテレビもどんどん画取りも変わっていくってなると、個人の感性がもっと生かされるから俺はいいんじゃないと思うけどね。

次代を担う"NEXT"クリエイターへ
次代へ向かおうと、それぞれのクリエイティブ道を切り開こうとしているクリエイター達へ、藤村様の熱いメッセージをお願いします!

基本的な編集の仕方はもちろん大事だし、じゃあYouTubeとかテレビっていうのはどうやって儲かってるんだとかそこら辺の基本的なことも、もちろん社会の仕組みとして大事だけど、いざ何か作ろうと思って最初作るのはもちろんオーソドックスでいいけど、そこから何か作り出そうというときは、もう自分が見たこともないというよりかは自分の感性でモノを作った段階でセオリー超えられるから、結局それしかないのよ。
何でもいいから、ちょっと人目を引くようなことをやっていく。
それは常に毎日チャレンジだから、俺それは本当楽しいと思うよ。
テレビの映像を作る仕事では毎日なんか違うことをやる、毎日違うことを試してみる。
それができればなんか目が出てきそうな気がするけどね。

講師プロフィール
藤村 忠寿(Fujimura Tadahisa)氏
藤村 忠寿(Fujimura Tadahisa)氏

北海道テレビ放送 (HTB) コンテンツビジネス局エグゼクティブディレクター 1965年愛知県生まれ、北海道大学法学部卒。愛称は「藤やん」。 1990年に北海道テレビ放送に入社。東京支社の編成業務部を経て、1996年にチーフディレクターとして『水曜どうでしょう』を立ち上げる。 以降、地方局としては異例の全国大ヒット番組となる。 2002年レギュラー放送終了後は、舞台やドラマの演出、グッズの企画開発を手掛けながら、番組DVD・Blu-rayを制作し、累計出荷枚数は500万枚を超える。 2019年のHTB開局50周年ドラマ「チャンネルはそのまま!」では監督を務め、日本民間放送連盟賞テレビ部門でグランプリを受賞。 現在、母校である北海道大学公共政策大学院フェローも兼任。

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