Q

362 「委託」と「請負」、どう違う?

フリーランスで働こうと思っています。契約をするにあたって、「業務委託」と「業務請負」ではなにが違うのでしょうか?

A

受注した仕事を完成させる責任があるかないかで変わります。

はじめに、法律上「業務委託」という言葉は存在しません。「委託」とはそもそも、「人に頼んで代わりにやってもらう」ということを意味しており、一般的に業務委託と言われるものは、民法上「請負契約」と「委任契約」に分類されます。ですので、ここでは「委託」=「委任」として解説していきます。 ★請負契約とは・・・ 「請負」は民法により以下のように規定されています。 (請負)第632条 請負は、当事者の一方がある仕事を完成することを約し、 相手方がその仕事の結果に対してその報酬を支払うことを約することによって、その効力を生ずる。 つまり、請負契約とは期日までに成果物の納品(仕事の完成)をすることを条件に報酬を支払う契約ということになります。求められるのは完成品であるため、完成までのプロセスや人員などに対して発注側は基本的に関与せず、受注側に一任されます。また、完成までに掛かった経費などは、報酬の中に含まれるケースが一般的です。 ★委任契約とは・・・ 「委任」は民法により以下のように規定されています。 (委任)第643条 委任は、当事者の一方が法律行為をすることを相手方に委託し、相手方がこれを承諾することによって、その効力を生ずる。 つまり、委任契約とは手続きや処理などを他の人に頼むという契約であるため、成果物を納品する(仕事の完成)義務を負いません。ですので、たとえ発注側が期待した成果が出なかったとしても、依頼された業務を行えば報酬が発生します。また、受注側は発注側に対し報酬だけでなく、別途掛かった経費などの請求もできます。なお、民法上では法律行為に関することを「委任」、法律行為でないものを「準委任」と区別されていますが、実際は「委任」と「準委任」を一括りにして「委任」と呼ぶことが多いようです。 わかりやすい例としては、 【請負契約の場合】 ・家を建てる、コンサートを開催する、ゲームのキャラクターを制作する 等々… 【委任契約の場合】 <委任> ・弁護士が裁判で弁護する 等 <準委任> ・医者が診察や治療を行う、ソフトウェアのデバッグ、原稿の校正 等々… つまり「請負」と「委任」のいちばんの違いは、仕事を完成させる義務の有無ということになります。 ◆業務請負 ・・・ 仕事を完成させる ◆業務委任 ・・・ 仕事を完成させるための戦力になる・協力する 「請負」では自由度が高い分負う責任が重く、「委任」は自由度は低いものの責任は請負に比べると軽いと言えます。

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